CSI:Miami 3-01「永遠の旅立ち」(原題:LOST SON)

 WOWOWにて10/4(火)から3rdシーズンがスタート。ホレイショ、相変わらず傾いてるよ。
 せっかくなので、毎週あらすじ&感想などを書く予定。ネタバレになるので、知りたくない方は< STORY >以降を読まれぬことをオススメする。



 アメリカ、CBSの人気番組であるドラマ「CSI」(ラスヴェガス)のスピンオフ企画第一弾。(第二弾は「CSI:NY」。)
http://www.cbs.com/primetime/csi_miami/
 CSIは「Crime Scene Investigation(犯罪現場捜査)」の略。警察内の科学捜査班が様々な知識・経験・技術、そして最新の捜査器具を用いて証拠を掴み、犯罪の真の姿を明らかにしていく様子を描く。原則として一話完結。





<登場人物>
・ホレイショ・ケイン(デヴィッド・カルーソ)(写真中央)
 CSIチーフ。クールに見えて熱血漢。容疑者に対して強い態度に出ることがしばしばあるが、時々思いっ切り間違っている。いつも傾いている。
・カリー・デュケイン(エミリー・プロクター)(写真左から二人目)
 CSIメンバー。銃器及び弾丸・弾道検査に高い技能を発する。彼女に銃の手ほどきをした父は弁護士だが、アルコール中毒でもあり、この親子のエピソードは今までにもいくつか出て来ている。ブロンドのロングヘアを束ねもせずに現場へ赴くことが多く、私はいつも現場汚染を心配している。
・ティム・スピードル(ロリー・コクレイン)(写真右から二人目)
 CSIメンバー。シニカルでクール、そして下膨れ。革ジャンでバイクに乗って通勤だ。勤務態度は熱心だが、担当以外の業務に対する関心は薄い。「Sex and The City」のバーガー(キャリーの彼氏)の役者によく似ているが、全くの別人。
・エリック・デルコ(アダム・ロドリゲス)(写真右)
CSIメンバー。水中捜査を一手に引き受けている。ロシア人の父、キューバ人の母の間に生まれたという設定で、実に見目麗しい。キャリアは長いはずだが、「永遠のルーキー」という印象を受ける。
・アレックス・ウッズ(カンディ・アレキサンダー)(写真右から三人目)
 女性検死官。死体に話しかけながら検死を行う。
・イェリーナ・サラス(ソフィア・ミロス)(写真左)
 マイアミ・デイト郡警察刑事。ゴージャスな美女だが、吹き替えの声が何故かおばちゃん。潜入捜査中に殺害されたホレイショの弟の妻(一子あり)。夫の死後、ホレイショと微妙な距離感を保っていたが、前シーズン後半で同警察内監査部のリック・ステットラー(内密にホレイショの調査をしている模様)と交際を始めた……らしい。


CSI:Miami 3-01
「永遠の旅立ち」(原題:LOST SON)< STORY >
 車で大渋滞のマイアミブリッジ。その橋脚にクルーザーが激突し、橋が倒壊する。自動操縦のままになった船内には、頭を撃ち抜かれた男の死体が一つと、泥の足跡が残されていた。
身元を確認すると、彼は地元の資産家リード・ウィリアムズだった。ホレイショとイェリーナがウィリアムズ夫人を訪ねると、彼女(トーニー)は「息子(ジョーイ・6才)が四時間前に誘拐され、夫は身代金の受け渡しに行っていた」と言う。身代金は300万ドル分の宝飾品で要求されていた。宝石は持ち去られ、夫は殺害され、そしてジョーイは戻っていない。
 誘拐現場と見られる空手道場では、インストラクターのケンがその現場を目撃していた。一人の男がメルセデスにジョーイを乗せ、去って行ったと言う。しかし、何か両親同士の諍いだろうと判断し、誘拐とは思わずにいたと。けれども、現場の痕跡から、ホレイショは彼が嘘をついていると看破。ケンは、ポンティアックに乗った男から金の入った封筒を受け取り、口をつぐむことを了解したのだと告白する。
 証拠を探るうちに、誘拐犯が遺棄したと思われるポンティアックを発見する。水路に沈められた車両は、無人かつ何も残っていない。しかし、トランクには内側から小さな爪で引っ掻いた後と、ジョーイと同じブロンドの髪が見付かる。また、カリーの検査によってトランク下部から部分掌紋が発見される。誘拐されて8時間になる人質の迅速な保護のため、前科犯データとの照合が急がれる。
 更に、デルコがクルーザーの周囲を綿密に調査した所、付近の海底に身代金に使われたはずの宝飾品が沈んでいた。スピードルはこれらの宝石を検査し、全てが模造品であることを発見する。その中の模造エメラルドのブローチには歯形が残っており、身代金が偽物であることに気付き怒った誘拐犯がリードを射殺したとの推理が浮上する。
 また、トランクの人毛とウィリアムズ夫妻のDNAを比較した所、トーニーはジョーイの実の母親ではないことが分かる。血の繋がらぬ母と息子、模造品の宝飾品……トーニーを疑うホレイショは、彼女を詰問する。しかし、トーニーは宝石の模造など知らぬと突っぱね、またジョーイを愛していると主張する。宝石は前年に鑑定にも出しているので、その真贋に関しては疑いの余地はなく、その鑑定の後「マクレー宝石店」にクリーニングに出した時しか夫妻以外の人間の手が触れた機会はないとも……。
 宝飾品のすり替えに関して「マクレー宝石店」が怪しいと感じたホレイショは、スピードルと共に同店を訪れる。応対をするオーナーの挙動は不審で、ホレイショと会話しながらも常に背後を気にしている。カウンターの後ろに怪しい人影を見付けたスピードルが銃を抜くと、その人物が先に射撃してくる。スピードルは引き金を引くが、弾丸は発射されない。左胸に銃弾を受け、倒れるスピードル。応援を呼び、反撃するホレイショ。しかし、ホレイショの腕の中でスピードルは息絶える。
 現場に駆けつけたアレックスにスピードルを、店内の捜査をカリーに任せ、ホレイショはイェリーナとともに宝石店のオーナーを尋問する。だが、宝石店が関与したのは宝石のすり替えのみで、誘拐には関わっていないことが分かる。店内から射撃してきたのは店の用心棒だった。彼等も誘拐事件とは無関係だった。
 行き詰る捜査。しかし、カリーが発見した掌紋がようやく前科犯データと一致。容疑者ピート・ケラーが逮捕される。エメラルドに残る歯形と一致する歯の欠け、リード殺害の凶器と一致する銃の所持。ケラーの関与は疑いない。しかし、ケラーはジョーイの居場所を言わず、知りたければトーニーに聞けと言う。トーニーの前歴を調べると、彼女はかつてケラーと共謀して詐欺などに加担していたことが分かる。だが、トーニーは過去は認めつつも、ケラーとは何年も会っておらず、今回の件でケラーと共謀したこともないと主張する。ケラーは彼女への嫌がらせのために誘拐を企てたらしい。
 既にリード殺しを挙げられているケラーは、ジョーイの居所を白状する姿勢を見せない。そんな中、空手インストラクターのケンが受け取ったという紙幣の入った封筒を調べていた捜査員が手掛かりを見つける。封筒は外部から来たものではなく、道場にあったものだということ……つまり、ケンは自ら進んで嘘をついたことになる。道場を調べたホレイショとデルコはそこで採取した証拠を調べ、ケンが赴くであろう場所を特定する。そこは、海と沼沢地がぶつかる場所……サメとアリゲーターの巣窟だった。ケンは自らの手を汚さずに、ジョーイを葬るつもりだ。
 現場へ急行したホレイショの目に、沼の中の足場に怯えて縮こまる少年が見える。ケンの姿はなく、ただ血に染まったシャツだけが水面に浮いている。ジョーイを沼に放置しようとしたケンが、サメに襲われて殺されたようだ。ホレイショは危険を省みずに沼に入り、動けない少年を抱き上げて助ける。ジョーイをトーニーのもとに届け、誘拐事件は解決した。
 ロッカールームで、ホレイショはスピードルのロッカーを見つめて呟く。「お前が助けてくれた」。そこへ静かに入ってきたカリーは、監査部に見せる前にスピードルの銃に関するレポートを読んでほしいと言う。不発の原因は、銃の手入れ不足と粗悪な弾丸によるものだろうとカリーは語る。しかし、レポートにはその推測を入れるつもりはないとも。
 スピードルの埋葬が行われる。関係者が沈痛な面持ちで出席する中、棺にかけられた星条旗が畳まれ、スピードルの両親に手渡される。彼が捜査した誘拐事件では、失われていた息子(LOST SON)が取り戻されたが、彼の両親にとっては息子を永遠に失うこととなったのだった。(終)


<感想>
・スピードルあっさり殺されすぎ……(涙)。しかも、「宝石店は誘拐事件に無関係」って、報われないこと甚だしい。
・1stシーズンでも、納得できない理由で主要人物(メーガン)が突如退職してるし、このドラマは俳優のゼロサムゲームかなんかなんですかい?何か他に大きな仕事が入った……とかならいいんだけど。
・それにしても、話に粗が多い。最初にクルーザー付近の海底を調査していなかったり、嘘をついたことを認めている空手インストラクターにそれ以上突っ込まなかったり。お前らちゃんと捜査しろよ!
・スピードルはマイアミの中で一番のお気に入りだった。せめて、「太陽にほえろ」ぐらいの扱いで殉職させてほしかったよ……。


<次回予告>
「極悪弁護人」(原題:Pro per)
 企業家のラペックが自宅でパーティを開いていたところ、不審者が銃を乱射、来客の女性が犠牲となる。捜査線上には、ラペックの以前の仕事仲間ミドルブルックが有力な容疑者として浮上する。しかし、ミドルブルックは弁護人を付けずに自ら法廷で自分を弁護し、しかも罪状認否と予審と保釈請求を一度に行うことを主張する。