book review

ジーヴズの事件簿 P・G・ウッドハウス選集1

ジーヴズの事件簿 P・G・ウッドハウス選集1P.G.ウッドハウス 岩永 正勝 小山 太一 文藝春秋 2005-05-27評価 by G-Tools , 2006/10/13 最近読んだ「北村薫のミステリー館」に、北村薫と宮部みゆきの対談が収録されていた。北村薫のミステリー館北村 薫 新潮社…

白夜行

白夜行東野 圭吾 集英社 2002-05評価 by G-Tools , 2006/10/12 全てに感想文を書かなかったが、今年は東野圭吾をよく読んだ。どれも「うまいねえ」と思いはしたが、何故かそれなりの感慨しか抱けなかった。 予想できない悪意……それが、十年ほど前にはじめて…

定本育児の百科

定本育児の百科松田 道雄 岩波書店 1999-03評価 by G-Tools , 2006/10/12 ここに来ていよいよ読む、「普通の育児書」。しかも、古典。そして、名作。育児に迷うものは来たりて読め。ここに一つの導きの星がある。 Amazonの「今売れている本・トップ100はこん…

死神の精度

死神の精度伊坂 幸太郎 文藝春秋 2005-06-28評価 by G-Tools , 2006/10/12 伊坂幸太郎という人は、キャラクタ設定に恐るべきセンスがあるように思える。独特の奇妙な状況を創出してもいるのだが、やはりその作品の魅力は登場人物の性格にあろう。ある特性を…

月夜の晩に火事がいて

月夜の晩に火事がいて芦原 すなお 東京創元社 2005-01-22評価 by G-Tools , 2006/10/12 「雪のマズルカ」にも登場した、「ふーちゃん」こと山浦歩が主人公の探偵小説。出版の順序で行けば、「マズルカ」が本書の続編ということになる。 作者お得意のお国言葉…

雪のマズルカ

雪のマズルカ芦原 すなお 東京創元社 2005-10評価 by G-Tools , 2006/10/12 「ミミズクとオリーブ」で久し振りに再会した作者による、それとは全く異なる探偵小説。「ほのぼの」とか、「心温まる」とかいう描写のまるであてはまらぬ作品である。骨の髄までと…

キャベツの新生活

キャベツの新生活有吉 玉青 講談社 2005-10評価 by G-Tools , 2006/10/12 恋愛小説というものをほとんど読まない。我が家の本棚には唯川恵と江國香織が何冊かあるが、買ったのも読んだのも家人である。本人曰く、死体がゴロゴロ出て来るものよりは、恋愛小説…

となり町戦争

となり町戦争三崎 亜記 集英社 2004-12評価 by G-Tools , 2006/10/12 随分前に推薦されたものの、図書館の予約が一杯で中々順番が回ってこなかった一冊。そんなに読まれているということは、読みやすくドラマチックな小説だろう。タイトルからして児童文学か…

11月某日 「夜のピクニック」

夜のピクニック恩田 陸 新潮社 2006-09評価 by G-Tools , 2006/10/12 恩田陸って、本当に雰囲気を作るのが上手い。登場人物は(ほぼ)全員高校生のくせして、ちょっと出来過ぎ(秀才だの美形だの優等生だの)なのだが、それらのキャラクタが「ある夜の出来事…

英語の壁

英語の壁 文春新書 326マーク・ピーターセン 文藝春秋 2003-07-19評価 by G-Tools , 2006/10/12 タイトルを見る限りでは、英語の「分かりにくさ」を解説する書物のように思える。しかし、実際の内容はアメリカ人の著者が様々なシチュエーションで感じる「違…

さまよう刃

さまよう刃東野 圭吾 朝日新聞社 2004-12評価 by G-Tools , 2006/10/12 日本版「燃える男」(赤いトラクターじゃなくてクィネルの方)とでも言うべき、「正義の復讐譚」。 法は娘を救ってくれなかった……不良少年達に娘を殺された父は、仇を探して一人旅立つ…

赤ちゃん語がわかる魔法の育児書 カリスマ・シッターがあなたに贈る本

赤ちゃん語がわかる魔法の育児書トレイシー ホッグ Tracy Hogg 岡田 美里 イースト・プレス 2001-11-01評価 by G-Tools , 2006/10/12 洋モノ好きの私が次に読む育児書は、アメリカで「カリスマベビーシッター」と呼ばれる女性がものしたシリーズの一冊目であ…

遺言状を書いてみる

遺言状を書いてみる木村 晋介 筑摩書房 2001-02評価 by G-Tools , 2006/10/12 友人のblogに紹介されていた本を読んでみた。さしたる強い動機があった訳ではないのだが、amazonのレビューに「猫に遺産を残す方法が書いてある」とあったためである。もし私が何…

ドードー鳥の飼育

ドードー鳥の飼育薄井 ゆうじ 集英社 1998-07評価 by G-Tools , 2006/10/12 某氏オススメの薄井ゆうじを読んでみた。 これは中々味わい深い。飄々とした疎外感と、なぜかうらやましいような違和感に満ちた短編集である。 短編小説において私が最重要視するの…

赤ちゃんがすやすやネンネする魔法の習慣

赤ちゃんがすやすやネンネする魔法の習慣アネッテ・カスト・ツァーン ハルトムート・モルゲンロート 古川 まり PHP研究所 2003-11-08by G-Tools , 2006/10/12 予習シリーズ第二弾。ドイツの心理学士と小児科医の共著による、「親も子供も安眠できるための『…

ニキーチン夫妻と七人の子供

ニキーチン夫妻と七人の子どもレーナ・アレクセエヴナ・ニキーチナ ボリス・パーブロヴィチ・ニキーチン 匹田 軍次 暮しの手帖社 1985-02評価 by G-Tools , 2006/10/12 「予習」のために、育児書を読んでみることにした。 しかし、どうせ読むなら少し変わっ…

みんな行ってしまう

みんな行ってしまうマイケル・マーシャル・スミス 嶋田 洋一 東京創元社 2005-09-22評価 by G-Tools , 2006/10/12 「『スペアーズ』の鬼才が贈る、哀歓と郷愁に満ちたSFホラー集」と裏表紙にあるのを見て読むことにした一冊。表紙絵は少し怖いし、ホラーは嫌…

ユージニア

ユージニア恩田 陸 角川書店 2005-02-03評価 by G-Tools , 2006/10/12 「質問と答え(Q&A)だけで物語が進行するリアルでシリアスなドラマ」と評された実験的作品「Q&A」の後続作品とでも言うべき小説である。 「謎が謎であること」がもたらす何かを感じていた…

産んではいけない!

産んではいけない!楠木 ぽとす 新潮社 2004-12評価 by G-Tools , 2006/10/12 この本を居間の目に付く場所に放置して就寝したところ、翌朝家人が言った。 「またすごいタイトルの本読んでる……と思って最初の方チラッと見たんだけど、確かにそうかもって思った…

逃げる悪女

逃げる悪女ジェフ アボット Jeff Abbott 吉沢 康子 早川書房 2005-01評価 by G-Tools , 2006/10/12 ぶつぶつ言いながらも新作が出ると読んでしまう、ジェフ・アボットの「モーズリー判事シリーズ」最新作。田舎町ポートレオで起こる事件を扱っていた前二作と…

トラベリング・パンツ三部作

トラベリング・パンツアン ブラッシェアーズ Ann Brashares 大嶌 双恵 理論社 2002-04評価 by G-Tools , 2006/10/12 あなたがもし10代の女の子ならば、迷わずこのシリーズを読んでほしい。 あなたがもし10代の娘を持つお母さん・お父さんならば、やはりこの…

海の底

海の底有川 浩 メディアワークス 2005-06評価 by G-Tools <あらすじ> 四月。桜祭りで開放され、浮かれムードの横須賀米軍基地。多数の市民が参加する祭りの最中、敷地内にある海上自衛隊横須賀地方総監部には、所属するおやしお型潜水艦「きりしお」が停泊…

空の中

空の中有川 浩 メディアワークス 2004-10-30評価 by G-Tools <あらすじ> 満を持して試験飛行に臨んだ、国産民間テスト機「スワローテイル」。二万メートルまでの実験飛行に向かった、航空自衛隊のF15J(イーグル)。それぞれが、「空の中」で謎の爆発事故…

麦ふみクーツェ

麦ふみクーツェいしい しんじ 新潮社 2005-07評価 by G-Tools 最後の行を読み終えた時、私はどうすればいいか分からなかった。しばらくして、物語の中で出会った様々な人々の色々な人生を思い、じんわりと浮かぶ涙を堪えた。その後、家に一人なのをいいこと…

くうねるところすむところ

くうねるところすむところ平 安寿子 文藝春秋 2005-05-25評価 by G-Tools ああ、面白かった! あなたがもし女性で、読書が好きで、でも今何を読もうか決めあぐねているのなら、迷うことなく本書をオススメしたい。 あなたがもし男性でも、きっと面白いと感じ…

あかんべえ

あかんべえ宮部 みゆき PHP研究所 2002-03-16評価 by G-Tools , 2006/10/08 宮部みゆきによる、いかにもミヤベ的時代小説。 謎めいた設定で読者を引き付け、そのまま最後の大団円へと突き進むスタイルは確立されているが、終盤はややごたついた感を受けた。 …

輝く断片

輝く断片シオドア・スタージョン 大森 望 河出書房新社 2005-06-11評価 by G-Tools 私には月に重力があるのを知らなかった前科がある。 そんな人間であるからして、当然のようにSFにも弱い。本書の作者のことも全く知らなかった。実を言うと、読み終えてあ…

扉は閉ざされたまま

扉は閉ざされたまま石持 浅海 祥伝社 2005-05評価 by G-Tools , 2006/10/08 アタリが来た!という感じである。 なるほど、この人の作風は倒叙に適していたのか!と膝を打った。特殊な動機を持つある殺人犯の一夜の行動を描く本作は、私にとって作者最大のヒ…

BG、あるいは死せるカイニス

BG、あるいは死せるカイニス石持 浅海 東京創元社 2004-11-30評価 by G-Tools , 2006/10/08 私にとって四冊目の石持浅海である。 かねてより、この人の作品の魅力は「非日常的な設定下で起きる不可思議な事件」だと思っていたのだが、本作ではそれがいかんな…

はじめての妊娠・出産・育児―お母さんと赤ちゃんのための安心メッセージ

はじめての妊娠・出産・育児―お母さんと赤ちゃんのための安心メッセージ竹内 正人 ナツメ社 2002-04評価 by G-Tools , 2006/10/10 今に始まったことではないが、最近(特に)ぼけーっとしていた。開けたら閉め忘れ、出したら仕舞い忘れ、仕舞えばどこに入れ…